院長がうつ?
今まで当ブログにおいて私自身がパニック障害であることを報告し、その経過を紹介してきました。実はその後の状況はパニック障害よりうつ状態と変化しています、今回はその経緯を御報告します。
平成21年1月3日、突然父親が心不全となり緊急入院しました。母親はすでに重度の認知症であり一人暮らしは当然できません、両親とは同居していませんでしたので、家族で分担して母親の面倒をみていました。しかし、二人の子供(私は次男です)は遠方で生活していますので認知症の母親の介護は二週間ももたず破綻しました。幸い、実家近くのグループホームに入所できましたので一段落しました。しかし、それ以降も休日は日曜日しかなかったのですが毎週父親の見舞い、母親の面会を繰り返していました。今から考えるとそうした、両親の入院・介護ストレスで自分自身がうつ状態となったと推測しています。実際自宅で家族の介護をしている人の3割位うつになっているという調査結果もあります。
パニック障害からうつ病になることは珍しいことではありません、いつも患者さんにそう説明し、うつにならないように治療してきたのですが、自分自身がそのような結果になってしまったのです。
うつ状態となると、イライラしたり(元々短気な性格ですが)、酒量が増えたり(元々アルコール依存症ですが)、疲労が蓄積したりしました。もっと進行すると意欲がなくなりました。外出・買い物すら億劫で自宅と診療所の往復だけの生活になりました。趣味の釣りも全く行けなくなり、ある意味引きこもり状態です。些細な事でも想定外のことが起きると怒り出したりします。今でも基本的には状況は変わらないのですが、どうにか休診することなく仕事はしています。しかし、今までのようなペースでは働けないので当然ペースダウンしています。開業医も自営業ですから仕事を休むことはできません、無理にならないように仕事のやり方を変更して対応しています。
診察中患者さんにもそのことを説明していますが、たいてい驚かれます。軽症とはいえ、うつならば当然影響は大きいのですが、仕事はできることを理解して欲しいのです。精神科医自身もうつとなり、それでも仕事と治療の両立が可能であることが患者さんに伝われば幸いです。