終の棲家
平成21年は年初より災難続きで厄年となっています。以前報告したように私の実の両親の介護・入院の問題が解決することなくそのまま継続しています。正月早々心不全で入院した父親は、無謀にも平成21年2月上旬に本人の意志により退院し一人暮らしとなり、国の方針にも沿った形で在宅介護支援を利用してどうにか生活していました。母親は認知症でグループホームに入所しています。
ところが6月下旬ごろより父親が腹部症状を訴えるようになり、緊急にかかりつけの病院に受診したのですが症状は改善しませんでした。最後は当方ガ強く入院治療をお願いして、入院後便秘の悪化によるものと診断されました。便秘だけでなく心不全、腎不全もあり生命の危険もある状態でしたが、病院側からは退院を説得されました。私も病状説明に呼び出され、説明を受けましたがその趣旨が退院とわかりましたので当方より転院することを申し出ました。転院先の病院を探したわけですが、やはり病状のため三ヶ所の医療機関から断られ、どうにか受け入れてくれる病院を探し出しました。しかし、こうした状況に対して病院関係者に対する不満はありません、病院は厚生労働省の医療・介護の政策に従わざるを得ないというのは当方も医者をしていますので良く理解できます。
介護だけてなく医療も必要な人は必ず存在するわけです。療養型病床というわかりにくい表現になりますが、わかりやすく言えば終末期医療、老人病院となります。役所は現在その削減に力を入れており、またしても現場を知らない公務員の机上の空論ではないかと思いました。受け入れ先の病院がなければ父親は死亡していたと思います、幸い入院してわずか二週間ですが元気に快復しています。
息子が医者をしていてもこういう状況ですから、終の棲家というのは期待しにくいというのが現実かと思います。介護の世界は完全に混合診療(医療に関しては今でも役所は認めていません)ですから、数千万円の入居金が必要となる老人ホームも少なくありません。人間高齢化して亡くなる前には必ず病気になります。その時はどんな高級老人ホームでも対応できるわけではなく、最終的には医療機関に入院しなくてはなりません。そういうことであれば元気な時だけ高級老人ホームにいても終の棲家ではないのです。