医者の常識が無い?
本日のテレビニュースによると地方の医師不足の原因として、麻生総理大臣のコメントで「医師としての常識がない。」という見解が報道されました。それをたまたま聞いて怒り心頭となりました。自分自身、医師会にも所属せず地域医療への貢献が不十分であることは反省し、それゆえ地域医師会のボランティア的活動(予防接種、学校医、当番医等)に敬意を表しています。麻生首相の思いつきの発言はこうした地道な地域医療の活動に対する侮辱的発言だと思います。首相自身、自分が病院経営者であるからわかるという発言があったようですが、私自身福岡県、佐賀県に在住していますのでその発言は信憑性に乏しいものと思いました。首相自身病院経営の仕事をした経験はないと思います。
私自身病院勤務医時代も長く、日勤当直日勤という連続36時間の勤務を毎週していました。正月やお盆も働きます。普通の国会議員、地方議員、公務員等では考えられない勤務状況が当たり前です。医師としての責任感、プライドがそれを支えていると思います。
そうした現状に対して、全く別世界の住人である内閣総理大臣、国会議員が批判することに納得できません。一般国民からの視線と大きく乖離しています。
今問題なっている医師不足は医学部の定員不足が原因ではなく、厚生労働省の決めた医師研修制度の変更によるものだと思います。(結果的に都市部の大病院に研修医が集中したわけです。)現実、全国の医師数は着実に増加していますし、変更前は医師不足の問題は今のように深刻ではなかったのです。舛添厚生労働大臣は良い意味で部外者のような印象もあり、以前より彼の政治手腕も信頼していますし、改革を継続することを期待します。