精神疾患や身体疾患によりハンディを持っている人々に対して両親、民間ボランティア団体、民間医療機関、行政等により健常者と同じように生活できるように様々な活動が行われていますが、その熱意には頭が下がる思いです。ご両親にとっては「私達が死んだら、この子はどうなるのか」という切実な問題があります。残念ながら平成18年4月に施行された障害者自立支援法は、逆効果でますます障害者、その家族の不安を増していると思います。共同作業所で毎日仕事しながら収入を得るどころか、逆にお金を払わなければならなくなったことなどは典型例です。役所、公務員の自分達は安泰で、障害者の実情を知らず、知ろうともしない状況での机上の空論による結果と考えます。
それとは別に今回は、従来障害者という認識もなく、現実就労できない、収入が少なく生活できない人が存在することについて説明します。精神疾患はすべて明確な境界がないことはこのブログにおいてもずっと言い続けていることですが、障害者と健常者の境もはっきりしません。例えば、うつ病という世間では軽症と考えられている疾患においても慢性化して就労できない人は少なくありません。障害者としての認定も受けることも難しく障害者年金等の受給も現実困難です。そうした方々は一見全く普通に見えますので、親からも怠け者として扱われていることも少なくありません。アスペルガー障害・ADHD等の軽度の発達障害、引きこもりの方も同様ではないかと思います。
障害者と健常者の区別は厳密には不可能で、不毛の議論を重ねることにもなりますので、生活保障という面では障害者と健常者の区別なく国による保障が必要と思います。現行法でも生活保護制度がありますが、北九州市のような生活保護の申請を窓口で申請書を渡さないというような酷い対応が役所・公務員によって行われていますが、言語道断です。自立、特に経済的自立を強調すると結果的には障害者、弱者にしわ寄せがきますので注意が必要と思います。日常生活上の援助、社会参加、自己実現、生きがい等とは別の次元で考えるのが良いのではないかと考えます。
当然財源、制度の悪用という問題も出てくると思いますが、現状の公務員の人件費・利権の金額よりはるかに小さいものです。参議院選挙の前ですが国民のセーフティーネット、を充実させれば障害を持った方々にも大きな安心感を与えることと思います。