希みが丘クリニック
HOME
電話

ブログ

正社員に対するこだわり
2018年09月09日 [心療内科・精神科]
 安倍政権においても非正規雇用を減らし、正社員の割合を増やす政策が実施されています。確かに正社員と非正規雇用の賃金を比較すると当然正社員が多いです。しかし、昭和の親世代と違い終身雇用制度は崩壊しています。つまり正社員と言えども病気や職場環境の悪化に伴い、退職する可能性が高いです。大学卒業後3年以内に退職する人が半分近くいるという統計データもあります。なんのために就職活動をあれ程熱心にしたかその意味を考える必要があります。

 正職員でも自己都合退職、リストラ、会社都合退職を想定した人生設計をしなければなりません。精神疾患を持っている方は特にそうです。その中でもうつ病、アスペルガー障害、高機能自閉症の方は正社員に対するこだわりを持たない方が良いと思います。障害者雇用促進法のごまかしが役所・行政を中心に実際行われています、そのことがマスコミで報道されています。そのことでも障害者雇用の現実の困難がわかります。それでいてハローワーク、就労支援等役所・行政に相談に行くとワンパターンで障害者手帳申請、障害者者としての人生を勧められます。
 
 それによって患者さんがたびたび誤解します、知的水準も高く、就労の能力も十分あるのに精神障害者として生きることを行政の目標達成(障害者手帳申請の人数、障害者雇用の達成率等)に利用されている印象です。

 障害者雇用枠で就職しても本当の正社員は少なく、非正規雇用がほとんどです、給与もアルバイト程度です。

 本当にアルバイトすらできない方には、障害者枠で就労することはメリットがあります。しかし、アスペルガー障害、うつ病等の方は障害者枠ではなく一般採用で働く方が良いかと思います。特にアスペルガー障害で若いの方は以下の働き方を推薦します。正社員での勤務が困難で転職を繰り返している方です。

 @公務員 試験さえ合格すればほとんど定年まで勤務できます。
 A資格取得 税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士等自分で開業できる資格は有利です。
 Bスペシャリスト IT技術者等コミュニケーション能力があまり要求されない。
 Cパート・アルバイト 人手不足の時代で賃金も上昇しています。自分のペースで仕事ができるメリットがあります。
 D工場、清掃、農業、肉体労働等 コミュニケーション能力があまり要求されない。

 障害者であることを告知するデメリットも考慮すべきです。例えば結婚、就労免許(医師、看護師、理容師、美容師等)、運転免許などたくさんあります。

 正社員に対するこだわりをなくすことが大切かと思います。僕も会社員としては通用せず医学部に入学し、精神科医となり開業し現在は社会に適応しています。こういう人生もあります。

ブログ記事一覧

【カテゴリーリスト】

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク

PageTop