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2018年11月08日 [心療内科・精神科]

精神科の診断書は信用できない

 精神科医の仕事は患者さんの診察の他に、診断書作成が多く負担感が大きいです。休職、復職、退職、保育所利用、PTA活動、休学、地域活動役員、離婚、パワハラ、セクハラ、虐待等本当に様々なケースで患者さんより診断書作成が要求されます。

 金銭的な紛争に伴う診断書は特に厄介なものとなります。離婚、交通事故の被害者からの診断書要求は特に困難です。本人は被害者としか思っていませんので、断ると怒りだしてしまうケースも少なくありません。精神疾患は特に診断自体曖昧で、客観的検査結果はありません。

 今までうつ病、統合失調症、人格障害と診断されて強制的に入院させられた患者さんも少なくないと思います。しかし、その時客観的データ、検査結果を示された方はいないと思います。強制入院は精神科医の最も緊張すると時で、一番大きなストレスとなります。

 確かに精神科では客観的な確定診断はできません、精神科医の経験的・主観的な判断が重要になります。むしろそこに精神科医の能力が問われます。心理テストは大切ですが、実は精神科医はあまり頼りにしていません、自分の判断材料の一つです。つまり心理テストで診断はできません、他科のような精度の高い検査はありません。質問形式のテストでは仮病・詐病は見抜けません。

 精神科は他科とは異なり文系であり、科学ではありません。法律学や経済学と同じです、裁判官や経済学者の言うことが必ずしも真実ではないことと同じです。裁判官の判決に納得しない方は少なくありません、それで激高するすることもしばしばです、精神科医も同様です。患者さんが怒り出し精神科医のストレスもMAXとなります。

  精神科的判断は曖昧で、やはり患者さん側に有利になるように診断書を書きますので、診断書の信用性が乏しくなります。最近では企業側もようやくそのことに気づき、業務命令でセカンドオピニオンを指示したりします。実はこれもとても不快に感じます。

 


 


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